
「自分のキャリアプランについて考えるのが難しい…」と感じる方は多いと思いますが、キャリアプランは異動や転属、転職などの職業上の重要な選択において、自身をサポートしてくれるものです。キャリアプランの重要性やアイデアが浮かばない場合のアプローチ方法、年齢に応じたポイントと具体的な例文、そして面接での適切な回答について、私自身の経験をもとに解説していきます。
そもそもキャリアプランとは???
「キャリアプラン」とは、自分自身が将来どのようなキャリアを築いていくかについての「具体的な計画や見通し」を指します。また、「キャリアビジョン」という言葉も似ていますが、これは将来の理想像やありたい姿を含めた、私生活も含めた将来の目標や理想を指します。言い換えると、キャリアプランは「キャリアビジョンを実現するための具体的な行動計画」と言えます。
さらに、関連する言葉として「キャリアパス」があります。これは、企業内で社員が目指すポストや職務に到達するために必要な経験やスキルなどの道筋を示す言葉です。
キャリアプランはどんな人でも絶対必要!
多忙な日常の中で、「あなたのキャリアプランは?」と突然問われても、ほとんどの人はすぐに答えることができないでしょう。しかし、キャリアプランを立てることには、中長期的な目標をはっきりさせ、それを達成するための計画を作るという多くのメリットがあります。これは、大学生だけでなく、現在働いている方々にも当てはまります。
これからのキャリアの考え方
過去には終身雇用制度が主流であり、企業が提示するキャリアパスに従うことで多くの人が一定のキャリアアップを実現することができました(とはいえ、いわゆる大企業ではこの流れは未だに存在します)。
しかし、社会の大きな変化により、終身雇用制度は維持できなくなりました。現在では、「会社にお任せ」ではなく、個々の人が納得できるキャリアを築くことが難しくなっています。
時代の変化に対応するためには、個人が自らキャリアについて中長期的な目標を持ち、計画を立てることが重要です。自分の仕事や人生に対して理想を描き、それを実現するために主体的な選択と行動を取ることで、自分が納得できるキャリアを構築する可能性が高まります。
目的志向が目標達成のカギ!
仕事にやりがいを感じない場合、多くの場合、「何のためにそれをするか」という目的が見えにくくなっていることがあります。 しかし、キャリアプランを立てることによって、「いつまでに○○を達成する」という具体的な目標が明確になります。それに伴い、目標達成に向けた中間目標や課題も見えてくるため、「現在の自分には何が必要であり、どのような取り組みが求められるのか」ということが明確になります。自身の日々の業務が将来の目標に繋がっていると実感できれば、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。
自分の軸は就職・転職活動で活きる!
キャリアプランは、転職時における企業選択の重要な基準として役立ちます。 転職活動では、多くの場面で「この会社は自分に合っているか」「この会社への転職は価値があるか」という判断を繰り返すことになります。その際、キャリアプランは判断の一つの基準となります。もちろん、キャリアプランを完全に満たす企業を見つけることは難しいかもしれませんが、自分の基準に合致し、キャリアプランの実現に向けて良い影響を与える企業を自ら選ぶことができれば、転職後もやりがいを持って働くことができるでしょう。
基本的なキャリアプランの立て方(3ステップ)
キャリアプランを立てる方法は多岐にわたりますが、比較的シンプルでおすすめなのが、「Will・Can・Must」という自己分析のフレームワークを応用した3ステップの方法です。どんなキャリアプランでもこの三点を抑えることで成り立っています。
ステップ1:Will(仕事で実現したいこと、ありたい姿)を明確にする
まず、数年先を見据えて、自身が取り組みたい仕事や理想とする存在について考えてみましょう。例えば、「部下をマネジメントする」「新規事業の立ち上げに関わる」といった具体的な目標や、「○○さんのようなビジネスパーソンになる」といった理想像でも構いません。
ステップ2:Can(できること)と大切にしたい価値観を整理する
次に、過去から現在までのキャリアや経験について整理し、自分ができることや今後に活かせる経験・スキル、大切にしてきた価値観を洗い出しましょう。以下の点について考えると良いでしょう。
- 過去の経験内容
- 獲得した人脈
- やりがいを感じた経験
- ロールモデルとして尊敬する人物
- 転機となった出来事
ステップ3:Must(やるべきこと)を整理する
Willを実現するために不足している要素や今後身につけたいことを整理します。例えば、現在営業職で後輩1名を指導している(Can)が、将来は管理職になりたいと考える(Will)場合、3名以上の若手チームリーダを務め、自身も営業実績で上位にランクインする必要がある(Must)などと考えていきます。このように進めていくと、少しずつ具体的なキャリアプランが描けるようになるでしょう。
なお、社会人経験が浅い若手層などで「何をしたいか分からない」という場合は、最初にWillを設定すると自己とのギャップを感じることがあります。その場合は、ステップ1とステップ2を入れ替えて、まず自分の経験やできること(Can)の整理から始めてみることをおすすめします。その中で「この仕事が面白かった」「適性がある」といった気づきが得られれば、それを活かせるWillに繋げていくことも有益です。
実際のキャリアプランの考え方と例文
転職活動では、企業独自のエントリーシート(ES)を提出する場合など、キャリアプランの記述が求められることがあります。キャリアプランをまとめる際には、以下の要素を盛り込むと良いでしょう。
- 仕事における目標と達成時期の設定
- 必要な経験やスキルなどの計画
- 目標達成に向けて現在取り組んでいること
また、キャリアを積む過程で自分自身や周囲の環境が変化するため、キャリアプランは定期的に更新する必要があります。年齢に応じてキャリアプランが変化する背景には、企業が求める価値観や要件が変化するという側面もあります。以下では、キャリアプランの考え方と、営業職を想定した例文を紹介します。
20代の転職活動における選考の特徴
将来性やポテンシャルを重視する選考が一般的なため、キャリアプランでは経験や実績よりも広い視野を持ち、成長を追求する姿勢を示すことが重要です。身近な優れた先輩社員や上司、成果を出している人々をモデルにすることも有益です。
以下は20代のキャリアプランの例文です(私も転職活動をしている身なので参考になれば幸いです)。
私のキャリアプランは営業職において、〇年以内に組織内で最高の成績を達成することです。この目標を実現するために、毎月の営業目標を達成するだけでなく、常に50%以上の成果を上げることを意識しています。また、週次や日次で自身の顧客対応力を向上させるために取り組むべき課題を設定しています。さらに、成功を収めるためには、社内の先輩からのアドバイスを積極的に受けるだけでなく、他業界の優れた営業担当者のノウハウにも学ぶことを重視しています。書籍やセミナー、動画などを通じて、異なる視点や手法を吸収し、自身のスキルを高める努力を惜しんでいません。このような取り組みを通じて、成長し続けながら目標達成に向けて邁進していきます。
面接でキャリアプランを聞かれたら???
転職・就職の面接では、キャリアプランについて尋ねられることがあります。企業がキャリアプランを確認する目的や、回答時の注意点について理解しておきましょう。
企業側がキャリアプランを質問する意図
企業がキャリアプランを聞く理由は、主に以下の2つです。「応募者の価値観と自社のカルチャーが適合しているか」と「応募者のキャリアプランが自社で実現可能か」です。
キャリアプランは応募者の価値観や志向を強く反映するため、自社の価値観や企業文化との適合性を判断する材料になります。例えば、役職のヒエラルキーがフラットである企業に対して、「部下の管理を通じて売上に貢献したい」というキャリアプランを提示した場合、その企業に適合しないと判断されるかもしれません。
また、近い将来にマネジメント職に就きたいと考えている企業に対して、「現場で専門性を高めたい」と述べたり、海外展開の予定のない企業に対して「海外で貢献したい」と答えたりする応募者は、自身のキャリアプランと企業の提供するキャリアパスが合致しないため、「採用は見送る」と判断されることがあります。
実際にされる質問例
企業が面接でキャリアプランを確認する際には、以下のような質問がされることがあります。
「5年後のキャリアプランを教えてください。」 「これまでの経験を踏まえ、仕事上で実現したいと考えていることは何ですか?」 「当社に入社した場合、どのような取り組みを行いたいですか?」
必ずしも「キャリアプラン」という言葉を使って質問されるわけではありません。2番目の質問のように、キャリアビジョンに近いニュアンスの質問や、3番目の質問のように自社の提供するキャリアパスとの整合性を確認する質問もあります。
また、面接官は「キャリアビジョン」「キャリアプラン」「キャリアパス」という用語の違いを明確に意識せずに質問することもあります。したがって、上記のような質問を受けた場合は、キャリアの方向性についておおまかに尋ねられていると受け止め、適切に回答するようにしましょう。
キャリアプランを面接で伝える際のポイント
キャリアプランを面接で伝える際には、以下のポイントを押さえましょう。
- 自身のキャリアプランと企業のニーズが交わる部分に焦点を当てる:
キャリアプランは自身のキャリア上の選択基準となる重要な要素ですが、面接では応募者の価値観や志向が企業とマッチしているか、企業が提供するキャリアパスに合致しているかを確認するために質問されます。そのため、自身が描くキャリアプランを全て伝える必要はありません。自分のキャリアプランと企業の求める要素が合致する部分にフォーカスし、伝える情報を選択しましょう。 - 今の自分の延長線上にあるものを伝える:
「入社して何を実現したいか」という質問に対して、自分が現時点では到達が難しい理想を語っても説得力がありません。代わりに、現在の自分の延長線上で「こうなっていたい」「こういうステップを踏みたい」と具体的な目標を伝えることで、企業にも理解されやすくなります。Will・Can・Mustの考え方を活用して、現実的な目標を明確に示しましょう。 - 近い将来にその企業で実現可能なことを伝える:
企業は基本的に、応募者が近い将来に実現したいと考えている目標について知りたいと思っています。「20年後に何をしていますか」「あなたの人生の目標は何ですか」といった質問でない限りは、具体的で現実的な内容に絞り、半年から数年後に達成可能な目標を伝えることが良いでしょう。自身がその企業で実現したい具体的な貢献や成果について話すことで、企業側も関心を持ちやすくなります。
以上のポイントを意識しながら、自身のキャリアプランを面接で伝えることが重要です。
まとめ
「キャリアプラン」とは自身の将来のキャリアの具体的な計画や見通しを指す言葉です。「キャリアビジョン」は将来の理想像やありたい姿を指し、キャリアプランはそれを実現するための具体的な行動計画です。また、「キャリアパス」は企業内での目標や必要な経験・スキルを指す言葉です。キャリアプランは思いつかないかもしれませんが、中長期の目標を明確にし、計画を立てることでさまざまなメリットが得られます。
